くくり三猿
鞠
夢にでてきた三猿は真っ赤だったし
手足を縛られて鞠みたいに吊るされてた
ほどいてやろうとして近づくと歯を剥き出してゆらぎ
「なにもかもぶちまけてやる」と吠えた
わけがわからなかったので「わけがわからない」というとしだいに目を閉じた
ほんとうに哀しそうに目を閉じ、しだいに石になったそれらを
僕はずっと眺めることしかできなかった
ので
僕は覚醒しようともがくと
正気に戻ったのだとでもいうように「見猿聞猿言猿」と吠えた
わけがわかったので「それならわかる」というとなにもかも引き千切って手足を動かしだした
ほんとうに馬鹿みたいに真っ赤になって、鞠みたく飛び跳ね出したそれらを
僕はずっと指さしてゲラゲラ笑っていた